パルマケイア叢書4
総力戦と現代化
1995年11月25日第1刷発行
[編者]山之内靖
ヴイクター・コシュマン
成田龍一
[発行者]渡邊周一
[発行所]柏書房株式会社
編集方針について 3
方法的序論総力戦とシステム統合 9
山之内靖
第一部 総力戦と構造変革
ナチズムと近代化 ドイツにおける最近の討論 57
ミヒャエル・プリンツ
戦争行為と国家の変容 第二次世界大戦にあける日本とアメリカ …・79
グレコリー・フックス/レイモンド・A・ジュソームJr.
第二部 総力戦と思想形成
規律的規範としての資本主義の精神 大塚久雄の戦後思想 -119
ヴィクター・コシュマン
「市民社会」論と戦時動員 内田義藤の思想形成をめぐって- 141
杉山光信
母の国の女たち 奥むめあの〈戦時〉と〈戦後〉 163
成田龍一
ポイエーシス的メタ主体の欲望 三木清の技術哲学 185
岩崎稔
教育にあける戦前・戦時・戦後 阿部重孝の思想と行動 211
大内裕和
第三部 総力戦と社会統合
既成勢力の自己革新とグライヒ,キルトゥング 総力戦体制と中間層 239
雨宮昭一
日本の戦時経済と政府-企業間関係の発展 267
岡崎啓二
産業報国会の歴史的位置総力戦体制と日本の労使関係 287
佐口和郎
総力戦体制と思想戦の言説空間 313
佐藤卓己
人名索引 341
正直全ては読めなかった。ヴィクター・コシュマンの論文まで読んで断念した。それでも、漠然と描いていた「戦争が近代社会を創り上げた」ということが理解できてきたように思う。
これまで、社会学などでは避けられてきた戦争や戦時体制 これこそ近代の根底をなすものであることを、我々は再認識すべきだと改めて思う。
毎年出る3万人の自殺者の多くは、第二の敗戦の戦死者なのかも知れない。
現代進む経済格差、官僚や財界への不信、そして平成維新
まさしく、選挙による合法クーデターがポピュリズムによって起こりつつある。
アメリカの国家統制の強い、戦時体制と歩調を合わせれば当然の成り行きだから仕方ない?
戦前の日本は軍国主義で財界もいいなりというイメージは間違いであったことと、大正デモクラシーの頃から恵まれない軍人に有能な人物が集まらなかったことと合致する。
そうすると、自衛隊の武官の処遇をよくしないと戦前の日本と同じになると言うことか?
平和で美しい日本の着物を脱ぎ捨てて、鎧を露わにすべきなのか。
露わにしない戦略こそ 生き延びる戦略ではないのかと
考えさせられるおすすめの本である。
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